活動報告

一般質問(詳細)性的少数者(LGBTなど)への理解増進について

【問】先日6月16日の参院本会議において、「LGBTなど性的少数者への理解増進法(以下LGBT理解増進法)」が自民・公明・日本維新の会・国民民主の各党などの賛成多数で可決され成立いたしました。このLGBT理解増進法に関してはLGBT当事者や女性の不安が払拭されていないとして、「性同一性」の文言は「性同一性」と「性自認」のいずれにも訳せる英語の「ジェンダーアイデンティ」に置き換え、学校においては「理解増進に関し、保護者の理解と協力を得て行う心身の発達に応じた教育・啓発を行う」との文言を追加し、また「すべての国民が安心して生活ができるように留意する」との条文を新設するなど、結果として、日本維新の会の修正案を丸呑みする形で成立しました。
また、LGBT理解増進法の基本理念で「性的指向又はジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別があってはならない」とされていて、問題点は、その差別の定義が不明瞭であることです。例えば全国の自治体では少子化対策の一環で婚活イベントが行われていますが、広島県安芸高田市では2021年に婚活イベントが中止されていて、その理由が子供を持てない人やLGBTなど多様な方々への配慮が足りないとのことからでした。また、経産省において、トランスジェンダー女性の職員が職場の女性用トイレの使用を制限されたのは違法だと国を訴えている裁判では、現在、最高裁判所で争われております。本市において同じようなケースが発生しないとも限りませんし、その他さまざまなケースを想定して対策を立てておくべきだと考えます。LGBT理解増進法によって伴う、これらの懸念事項についてお聞かせ下さい。
【答】「LGBT理解増進法」については、性の多様性に寛容な社会の実現に資することを目的とし、「性的指向及びジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならないものである。」ことを基本理念とし、国民の理解の増進を図るための役割を定めたものと認識しております。
同法では、地方公共団体の役割として、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、地域の実情を踏まえ、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策を策定し、実施するよう努めるものとされています。
本市においては、昨年3月に策定した「門真市第2次人権教育・人権啓発推進基本計画」に、性的マイノリティの人権として、本市の現状と課題に加え、施策の方向性と取組みとして、教育の推進と、理解・啓発の推進を掲げており、また、本年3月に策定した「第3次かどま男女共同参画プラン」においても性の多様性の尊重と理解促進を重点施策として明記し、それぞれ取組みを進めているところです。
「LGBT理解増進法」については、基本理念や役割を定めた理念法であり、個人の行動に制限を加えたり、権利を与えるものではありません。あくまでも性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に向けたものであり、具体の施策等については、今後、国において策定される基本計画を踏まえるとともに、既存の本市の計画を基に、引き続き、性的マイノリティの方々の理解促進・啓発に努めてまいりたいと考えております。

 

【問】学校での教育についてです。先日の読売新聞社説において、「LGBT理解増進法では、小中学校で性的少数者についての教育を「地域住民や関係者の協力」を得て、促進することも盛り込まれた。精神的に未熟な段階で、機微に触れる性の問題を教え込む必要があるのか。過激な主張をする活動家や市民団体が、教育現場に介入してこないとも限らない。」と指摘されております。学校現場での今後の取組みについてお聞かせ下さい。
【答】教育委員会としましては、門真市教育振興基本計画に基づき、「すべての子どもたちが自らのアイデンティティを大切にしながら、自分と異なる文化や性の多様性を尊重し、ともに生きていこうとする豊かな人権感覚」を養う取組みを推進してきました。今後は「LGBT理解増進法」の施行に伴い、国において作成される基本計画や指針など国等の動向を終始しつつ、的確な対応を図ってまいりますので、ご理解賜りますようお願いします。