活動報告

一般質問(詳細2)

(2)2025年大阪・関西万博をインパクトにした本市の成長戦略等について

 

2025年4月13日~10月13日までの184日間、大阪夢洲において大阪関西万国博覧会が開催されます。来場者数の予測では約2800万人、経済効果は約2兆円とされております。大阪での万博の開催は2度目となり前回は1970年、1回目の大阪万博はアジア初で当時史上最大規模といわれ3月から9月までの半年で、来場者は目標の2倍以上の6400万人に達し、万博に合わせ周辺一帯では、市街地の整備や鉄道・道路の建設など大阪の景色が一変したと聞き及んでおります。また6年さかのぼり、1964年に開催された一回目の東京オリンピックとともに、戦後からの復興・成長・発展を遂げる日本経済を象徴する二大イベントとなりました。その後、時代は半世紀を過ぎ、2回目の万博が開催されることが決まった2018年頃の大阪府においては、府と大阪市が互いに協力し2重行政2元行政を無くすことで、大阪モノレールの延伸などの鉄道整備や道路整備、うめきたエリアの都市整備、外国人観光客の増加など成長を実感でき、本市もその波及効果を受けていた事かと思います。しかしながら、その後流行した新型コロナ感染症の影響で二回目の東京オリンピック・パラリンピックは1年開催が先送りされ、無観客で2021年開催となり、思ったほどの経済効果を挙げる事が出来ませんでした。現在、新型コロナは少しずつではありますが、収束傾向でいろいろなキャンぺーンが再開されるなど明るい兆しは見えておりますが、コロナ前の状況に戻るにはまだ時間がかかるかもしれません。だからこそ、2025年の万博への期待は大きく、本市において、万博との関わり方は非常に重要になり景気回復の起爆剤としなければなりません。そこで、2025年大阪・関西万博をインパクトにした本市の成長戦略等についてお聞きします。

 

【問1】まず、万博の経済効果を本市に最大限に取り込むには、機運醸成が必要と考えますが、これまで行ってきた事業と今後どのような施策を行う予定かを教えてください。また、先日の代表質問での答弁で、ゆめ伴プロジェクトin門真実行委員会をはじめとした市民団体と連携した機運醸成に努めるとありましたが、具体的にどのようなものをお考えかお聞かせください。そしてその機運醸成施策を市民と共有するための周知方法についてお聞かせください。
【答1】公共施設においてポスターの掲示、のぼりの設置、万博の桜事業等を通じて努めております。今後は、キャラクターの活用のほか、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会との連携による市のイベント等を通じ、機運醸成を図ってまいりたいと考えております。ゆめ伴プロジェクトin門真と連携した具体施策につきましては、同団体が取り組む「いのち輝く折り鶴100万羽プロジェクト」を支援するなどして機運醸成を高めてまいります。

 

【問2】次に他市との協働の取組みについてお聞きします。本市は万博首長連合の賛助会員とお聞きしております。また今月1日にはその総会が行われたと聞き及んでおりますが、万博首長連合とはどのようなものかお聞かせください。また、その総会はどのような内容であったか、今後、万博首長連合とのかかわり方についてお聞かせください。加えて近隣自治体と協働した取組みが必要かと思いますが、どのようにお考えかお聞かせください。
【答2】万博首長連合とは、全国の自治体や企業等が連携することにより、世界に向けた地域文化の発信や、地域の未来づくりを支援することで日本全体の発展を担うことを目的として活動する全国の自治体ネットワークです。総会の内容は、万博の最近の動向等の講演会や今後の活動報告でした。今後は首長連合と情報の共有に努めてまいります。
近隣自治体との取組みは、北河内7市での共同事業実施の可能性を探るため、5月に各市実務者間での会議を行ったところで、今後も引き続き検討を行う事としています。

 

【問3】次に民間企業との取組みです。万博では多くの企業や団体が「民間パビリオン」を出展する予定で、先日、構想概要が発表されております。近年、自治体と民間企業や団体が協働する、公民連携といわれる取り組みが盛んです。本市においても子どもロビーやまちづくり関係、高齢者見守りネットワークなど、企業や団体と連携したさまざまな取組みを行っております。それらの事業を通じて、新たに繋がりを持った企業や団体がかなり増えていることと思いますが、今後の公民連携の取組みについてどのようにお考えかお聞かせください。また、さまざまな事業課がそれぞれ繋がっている企業や団体を、どの事業課が包括的にどのように取りまとめていくかお聞かせください。
【答3】公民連携の取組みについて、現在、企業と連携して、認知機能低下の早期発見及び予防に向けたプロジェクトに取り組んでいる。また、新たに「公民連携デスク」の設置を検討し、さまざまな事業課がそれぞれに繋がっている民間企業や団体を包括的に取りまとめていきたいと考えている。

 

【問4】本市独自の取り組みについてお聞きしますが、今年の夏には3年ぶりとなる第4回門真まつりが開催される予定です。さらに、来年は門真市の市制施行60周年記念となります。門真まつりや記念イベントは多くの市民の目や耳に触れる機会が高いと思いますので、万博のアピールと共にイベントを盛り上げる絶好の機会ととらえます。その他のイベントも合わせて、万博をどのように関連させていくかお聞かせください。
【答4】ふるさと門真まつりや市制施行60周年記念事業と万博を絡め、万博開催の機運醸成を図ってまいります。

 

【問5】交通インフラ整備についてですが、現在、豊崎インターチェンジと海老江ジャンクションを結ぶ4.4キロの延長の淀川左岸線2期工事が進められており、2026年度末に完成予定となっております。万博が開催される2025年には、新大阪と万博を結ぶシャトルバス専用道路として先行開通させる予定と聞き及んでおりますが、今年3月に新たな地盤改良工事が必要で整備費が1000億円程度増加すると発表されました。この影響による開通時期が遅れたり、その後に予定される本市ひえ島町と豊崎ジャンクションを繋ぐ淀川左岸線延伸部の工事など、本市への影響がないか心配されます。そこで質問ですが、この一連の工事が完成することで、万博会場である夢洲へ行くのにどれくらい利便性が上がるのか、お聞かせください。
【答5】淀川左岸線延伸部が開通することにより、都心部の道路交通の円滑化や迂回機能の確保が期待されている。東大阪ジャンクションから湾岸舞洲まで一般道を利用すると約53分を要するところ、開通により約22分となります

 

【問6】万博のテーマについて、大阪府は開催地の立候補前の準備段階では「健康・長寿」を提案していましたが、国際的には公衆衛生の向上や新生児の死亡率の低下など目の前の命を救うことや貧富の差が課題とされる国が多くあることから、テーマを広げ「いのち輝く未来社会のデザイン」となったと聞き及んでおります。平均寿命については現在、女性約87歳、男性約81歳となっており、健康寿命女性約74歳、男性約71歳からすると男女とも約10年程度の開きがあります。さらに今後、平均寿命は延び続け40年後にはともに4歳延びて女性91歳、男性85歳となるとされております。平均寿命と健康寿命の差がさらに広がることになれば、医療費等が財政状況を悪化させるのは目に見えております。健康寿命と平均寿命の差を縮めることは、本市も課題として認識していると思いますが、万博の開催に合わせ、どのような取組みをお考えかお聞かせください。
また2030年までに達成することが目標とされているSDGsの17のゴールと169のターゲットは、万博のテーマと相通じるところが多いと思いますが、万博の開催と合わせてのSDGsの今後の取組みをお聞かせ下さい。
【答6】令和4年度から保険福祉部に健康政策担当参事を配置し、健康寿命延伸に向けた施策を進めており、参事を中心に健康福祉部内で健康増進に関する情報を共有し、今後、健康施策と介護施策の一体的な保険事業の実施について、民間との協働・共創も視野に、更なる連携を図ってまいります。SDGsについては、「誰一人取り残さない持続可能な社会」をつくるため、引き続き、さまざまな行政サービスにおいて、公民連携の取組みを推進してまいりたいと考えております。

 

【問7】観光戦略についてですが、新型コロナが急拡大し、第1回目の緊急事態宣言が発出された2020年の春以降、国内観光客や外国人観光客が激減し、ホテル、飲食店、それらに関連する多くの産業が非常に苦しい状況に陥りました。しかし、コロナ前で言えば、2012年に大阪府を訪れる外国人観光客約200万人が、大阪府と大阪市の観光戦略を一元化して2013年に発足した「大阪観光局」のさまざまな取組みにより、2019年には約1200万人と爆発的に増えた実績がございます。徐々にではあるかと思いますが、今後大阪を訪れる観光客が戻ってくると見込まれます。そこで、本市の魅力の一つに交通の利便性が挙げられ、大阪空港からモノレールで一本、京都市内や大阪市内へも京阪電車で繋がり短時間で行き来が可能であります。また、2年ほど前にビジネスホテルが新たに2件開業し門真市駅周辺で宿泊施設が5件となりました。加えて、来年には大規模商業施設も開業し魅力がより一層増える事から、万博に訪れる旅行客を取り込む絶好のチャンスととらえます。例えば近隣自治体と連携したシャトルバスの運行や、飲食店・物販店・ホテルなどどタイアップして万博客に割引を行うなど、様々な方法を考え観光客の取り込みを図るべきと思いますが、本市の観光戦略について考えをお聞かせ下さい。
【答7】万博の開催を契機に、国内外から多くの人が大阪を訪れ、ビジネスホテルが多く立地する門真市駅前に旅行客の滞在が期待されています。また、本市では、複数の企業がオープンファクトリーに参加しており、万博に訪れる旅行客の取組みに精力的に活動されております。また、パナソニックミュージアムや海洋堂ホビーランドなどの施設もあることから、多くの人を呼び込み、地域経済の活性化につなげるべく関係団体や市民と連携し、魅力ある情報発信を行ってまいります。

 

【問8】開催後のレガシー継承についてお聞かせいただきます。万博の開催地である夢洲は閉幕後にはIR(総合型リゾート)に生まれ変わります。IRイコールカジノひいてはギャンブル依存症に繋げることで、反対する方もいると思いますが、IRはホテルや劇場、国際会議場、ショッピングモールなどが集まった複合型施設のことです。IRができることによる経済効果、世界中の方に大阪の名が広まり、大阪が東京と並ぶ日本の副首都になり得る可能性が高まることと期待しております。雑草が生えた何もない埋め立て地だった場所が、世界中が注目する先進的な土地へと生まれ変わります。先ほど申し上げた、ギャンブル依存症については、ずっと以前から存在する病気のひとつであり、その治療方法については医学的な見地や周辺のサポート等を含め、IRの是非とは別にして、より適切かつ効果的に進めていくことが求められます。
さて、本市に目を向けますと、万博の開催前から開催中については一定の盛り上がりが見込まれますが、終了後もその好影響を持続可能なものにするための施策も同時に考えていくべきと思います。開催後のレガシー継承についてどのようにお考えかお聞かせください。
【答8】万博を一過性のイベントとして終わらせるのではなく、万博を通じた民間企業や市民団体等との協働・共創の仕組みを万博終了後も継続し、さらに発展させるべく、全庁一丸となってレガシーの継承に取り組んでまいります。