活動報告

委員会質問(詳細)小中一貫校(義務教育学校)と今後について

現在、本市においては義務教育学校の整備が進んでおります。今年の2学期からは脇田小学校が砂子小学校の敷地内の仮設校舎にて学んでおります。今後、脇田小学校が取り壊されその跡地に新しい学校(水桜学園)が建設され、令和8年4月の開校を予定しております。
先日、つくば市の学園の森義務教育学校の視察を行いました。この学校は施設一体型の義務教育学校で、一人の校長が小学1年生から中学3年生までにあたる9年間を1年生から9年生として連続的系統的に指導し、きめ細やかな教育ができるというメリットがあります。ハード面の校舎については廊下や階段が広く取られ、窓が大きく明るくて開放的な校舎については勉学を務めるに快適な教育環境であると考えます。人口増加で全校の児童生徒が一時は2,000名を超えるマンモス校となり、そのため昨年に新設された別の義務教育学校に一部が移動し、それでも約1,800名が学んでいるということでした。
それゆえ、バスケットコートが3面獲れるほど大きな体育館であるにもかかわらず全校児童生徒が入りきれないとのことや、プールが狭く全員の水泳授業が出来ない、北向きの教室と南向きの教室で空調管理が大変などハード面での課題があるとの説明がありました。また、グラウンドにおいては体格差を考慮して、下級生と上級生の使用範囲を分けるなどの配慮がされておりました。
さて、水桜学園について、ソフト面ハード面ともに素晴らしい学校となるよう、関係所管がご尽力されていると思いますが、6点質問いたします。

 

 

【問1】水桜学園の教育方針や理念、また取組等の検討状況についてお聞かせください。

【答1】8年度開校予定の水桜学園につきましては、「人とのつながりの中で、子どもたちの自立と自分の生き方を見つけることができる学校づくり」を理念とし、小・中学校の系統性・連続性のある教育活動を行うとともに、子どもたち・地域の人たちとの「縦・横のつながり」を創出し、「教育からまちを変える」まちづくりのリーディングモデル校となる学校をめざして、様々な特色ある教育活動に取り組んでまいりたいと考えております。
具体的には、「縦のつながり」を育む異学年交流を積極的に行うとともに、子どもたちにつけるべき力を前期課程及び後期課程の教職員全員で共有し、9年間を系統立てた教育課程を編成し、教育活動に取り組んでまいります。また施設一体型の義務教育学校であるという利点を生かして、9年間の連続した学びを最大限に生かすため、1~4年生、5~7年生、8~9年生の4年間・3年間・2年間の3ステージに分け、発達段階に応じた教育活動に取り組んでいくとともに、5年生から教科担任制を導入してまいります。
現在、「つながり」「多様性」「チャレンジ」という水桜学園の3つのコンセプトを四中校区の教職員と一緒に考え、総合的な学習の時間のカリキュラムの内容や将来の自分とのつながりを見据えたキャリア教育、また日本語指導が必要な児童生徒への指導についても9年間を見通した進め方等について、具体的な取組の検討を進めております。8年度の開校に向けて、引き続き四中校区の教職員と共に特色ある教育活動について議論してまいりたいと考えております。

 

 

【問2】新校舎の基本設計が完成しておりますが、施設一体型義務教育学校としての校舎や体育館、グラウンドなどの特徴についてお聞かせ下さい。

【答2】本校は施設一体型義務教育学校として、小学校中学校の機能を包含しつつ、9学年が効果的に学び過ごす事ができるよう様々な工夫を取り入れております。
まず、本校舎の特徴として、東西に1階から4階を大階段で接続し、合わせて吹き抜け空間やフリースペースを配置することにより、日常から異学年の様々な活動が見えるとともに、交流を促す環境を創っております。
各教室は、縦横のつながりや4-3-2の3つのステージを意識した配置としております。校舎の南側に普通教室、北側に特別教室を配置するとともに、フロアごとに機能や設えを変えることにより、各ステージに応じた活動が行いやすい環境としております。
教室や廊下は従来よりも広い空間を確保するとともに、その廊下にあたる部分での活動、教室と廊下の一体的な活用、本を気軽に手に取れる開かれたスペースへの書架配置など、教室だけではない、校舎全体で多様な学習活動や交流ができるよう工夫されております。
また、特別支援教室の設備の充実、クールダウン室や、子どもたちのちょっとした居場所となるDENと呼ばれるスペースの配置、各階へのバリアフリートイレの設置など、様々な配慮が必要な児童生徒が快適に学び過ごすことができる空間や機能を意識した設計となっております。
次にグラウンドについてです。グラウンドはメイングラウンド及びサブグラウンド2面の合計3面としております。
現第四中学校敷地が主にグラウンドとなりますが、メイングラウンドとサブグラウンドの2面を配置して、同時利用を可能にしております。さらには、現脇田小学校敷地にも、新校舎の南側に人工芝のサブグラウンドを配置しており、低学年の体育や休み時間の活用を想定しております。
次に、体育館についてです。
体育館は1つとしており、アリーナには全児童生徒が一同に集まることができる規模としております。ただし、物理的に仕切ることで2面確保できますので、体育の授業や活動につきましては、同時に行うことが可能です。

 

 

【問3】水桜学園の予想される児童・生徒数、及び学年の学級数についてお聞かせください。またつくば市においては学区制を堅持して、越境しての入学は認めていないとのことでしたが、水桜学園について、学区外から入学希望者が出た時の対応についてお聞かせください。

【答3】まず、現時点における水桜学園の児童・生徒数及び学年ごとの学級数の見込みでありますが、開校予定である8年度におきまして、1年生から6年生までの前期課程の児童数は443人、7年生から9年生までの後期課程の生徒数は283人となっております。
また、学級数は3・4・7年生が2学級、それ以外の学年は3学級の見込みとなっており、前期課程の学級数は16学級、後期課程の学級数は8学級で、水桜学園全体では24学級を見込んでおります。
次に、学区外からの入学希望者が出た時の対応といたしましては、原則、認めないものとし、学区制を維持することといたしております。

 

 

【問4】水桜学園のプール授業の考え方についてお聞かせください。

【答4】本市の水泳授業につきましては、民間等外部の活力を活用した実施に取り組んでおり、小学校、中学校ともに様々な効果も得られておりますことから、本校では民間活力を活用した水泳授業を取り入れることとし、学校にはプール施設を設置しないこととしております。
既に今年度から脇田小学校、砂子小学校が合同で民間施設での水泳授業を開始して順調に実施できたところであり、9学年の実施に向けても引き続き、検討、調整してまいります。

 

 

【問5】施設一体型の義務教育学校において指摘される問題の一つとして授業時間の違いで、始まりと終わりに鳴るチャイムが議論されることがありますが、学園の森義務教育学校では、そもそもチャイムを鳴らさないようにしているとのことで、水桜学園でも取り入れることができるかと思いますがいかがでしょうか。その他、先進事例において取り入れようと考えているものをお聞かせください。またチャイム以外においても義務教育学校とすることでの必要な配慮についてお聞かせください。

【答5】チャイムにつきましては、委員ご紹介の事例のように児童生徒の主体的な行動を促すためチャイムをならさないという取組に加え、45分と50分の授業で音色を変える等、多くの先進事例がございます。
またチャイム以外にも前期課程と後期課程のそれぞれの登下校時間や体育の授業や部活動等における運動場や体育館の使用方法について、また休憩時間の設定等、多くの調整が必要な事項がありますので、児童生徒が安心・安全に学校生活を送ることができるよう、学校現場と共に検討してまいりたいと考えております。

 

 

【問6】今後について、四宮小と北巣本小が統合され新しい学校となり、第五中と合わせ小中一貫した教育の考えが示されていますが、考え方についてお聞かせください。また、その他の市内の小中学校の考え方についてお聞かせください。

【答6】第四次適正配置審議会の答申を受けて、令和3年3月に教育委員会が作成した実施方針においても、小中一貫教育を一層推進する学校運営の在り方を検討していくことを掲げており、今後四宮小学校と北巣本小学校の統合による新たな小学校と第五中学校においても、小中一貫した教育をより進めることができるよう検討してまいります。
その他の市内の小中学校につきましても、現在行われている第五次適正配置審議会における今後の学校の在り方等についての議論も踏まえ、本市の小中一貫教育の方向性について検討してまいりたいと考えております。